両親に捨てられたとき
私は小学四年生の時に両親に捨てられた。
先にいなくなったのは母だった。
ある日学校から帰ったら、母親がいなくて「パートに行っているんだ」と思っていたが、帰ってくるはずの17時ごろになっても帰ってこなくて
私には妹(二歳下)と姉(二歳上)がいたから、三人で(もしかしたら妹と二人だったかもしれないけど)母のパート先に公園まで行って暗くなるまで待ってた。
でもやっぱり全然帰ってこないので、家にいるのかもと思いながら家に帰ってみると、やはり母は帰っていなくて、父だけがいた。
父は少しだけ慌てていたような気がするけど、そのころよく喧嘩していたし、母は気に入らないことがあるとすぐ家出していたから、またかぐらいな感じだったんだと思う。
それから一週間くらい待っても、母は帰ってこなかった。
母が出ていく一か月ほど前に、父は会社の社長と喧嘩して勢いで会社を辞めたので、お金もなかった。
だんだん食事が質素になってきて、白米にマヨネーズをかけたものが出てきたこともあった。
忘れられないのは、母が出ていった直後にあった運動会だ。
当時小学校6年生だった姉は友達のご家族と一緒にお昼を過ごしていたので、私は小学2年生の妹と一緒に父が来るのを心待ちにしていた(家族でお弁当を食べる時代だった)
父は、お昼少し過ぎたころに私たちのもとにやってきて、何かを差し出した。
お弁当箱には入っていなかったと思う。
アルミホイルに包まれた春巻きの皮を揚げたものと、小さいおにぎりひとつ。
多分春巻きの皮は家に唯一あったおかずになりうるもので、おにぎりは家にあった最後の米でも使って作ったのだろう。
なんだこれと思ったが、何も言えなかった。
家が貧しいことも知っていたし、父が来てくれただけで嬉しかったから。
父はおにぎりを指さして
「これ、お母さん来たら渡してあげて」
そう言って父はそそくさと帰っていった。
多分、母がこっそり運動会に来ると思っていたのだろう。
母が来た時に鉢合わせると気まずいから、父なりに気を遣ったのだろう。
小さい背中に向かって親子競技に出てくれないの？とは言えなかった。
今でも父には言えてないけど、運動会に母は来なかった。
午後の親子競技も、私は先生とだった。
その時の写真が奇跡的に残っていたのだが、見るたびになんともいえない惨めな気持ちになる。
運動会から数日後、私たち三人は父に呼ばれてリビングに集まった。
とても厳しくて、寡黙だった父は、初めて私たちの前で泣いた。
泣きながら「もう無理だ」と言った。
泣きながら「ごめんな」と何回も詫びる父に、やはり私たちには何も言えなかった。
次の日、突然荷物をまとめるよう言われた私たちは、簡単に荷物をまとめた。
その時に幼稚園の時のアルバムなどはすべて置いてきてしまったし、思い出のほとんどを置いてきた。
父は私たちを車に乗せてどこかへ向かっていた。
母方の祖母の家だった。
父は、祖母に「もう無理なので」と言って、不安で泣きじゃくる私たちを置いて行った。
この先どうなるのかわからずに、私たちは泣くことしかできなかった。
それからしばらく、祖母のもとに身を寄せていたが、それも限界が来て今度は親戚の家に預けられることになった。
数年後、いろいろあってまた両親と再会を果たして、父ではなく母と生活することになった。
でも、母は母である前に女だった。
再会したとき、女は彼氏の子供を妊娠していて、突然、私には12歳離れた妹が出来た。
妹が生まれてから、親は彼氏と別れて新しい男のもとに出かけるようになった。
まだ幼すぎる妹と小銭を置いて。
毎晩、妹があまりに泣きわめくので、お隣さんにも怒鳴られ、私たちはどうしたらいいかわからず泣いた。
一度、公衆電話に走って母に電話を掛けたことがある。
なかなかでないので何回も何回も掛けたら、渋々母が出た。
「早く帰ってきて」と泣くのをこらえて言ったら「わかったから」と言われて電話を切られた。
それから数日後、母が帰ってきたが、小銭を置いて出ていくという生活は暫く続いた。
本当に限界だった。
電気も止められて、怖がる妹をなだめながら生きていた。
ある日、新しい男を捕まえて多少生活が安定したのか何だか知らないが、
今度は妹を連れて出ていった。私を置いて。
そこからまた何波乱もあったが、私はなんとか生きていて、20代後半になった。
不思議なことに、私はやけになって不良になったりせずに、普通に会社員として働いているし、結婚こそしていないがそれなりに充実している。
でもたまに、私たちを真っ先に捨てた母から連絡が来るたびに、死んでくれたら楽なのにとか、思ったりする。
怖い夢
私は動画サイトで動画を見ている。
女子高生二人AとBがどちらかの部屋で短いスカートを履いているにも関わらずあぐらでスマホなんか弄りながらグダグダしていて、今では少々古いかもしれないが、今どきの言葉を使っている。
私は一体何の動画を見ているのだろうなんて思ったか思ってないかわからないが、その様子をスマートフォン画面越しに見ていた。
急に、女子高生二人がいる部屋中に大きなものがぶつかったようにズシン！と大きな音が響いたかと思うと、物凄い衝撃が二人を襲った。
暫く経ち女子高生二人がなんだなんだとあたりを見渡そうとすると、部屋は大きく傾いておりなんとクリーム色の部屋の壁に大きな穴が開いていた。
その向こう側がどうなっているのか、二人が近づいてみると、なんと大きな穴の向こうには雪が降る山が雪崩を起こしているではないか。
ただ女子高生二人は慌てず脱出しようなどとは考えていなかった。
そのうち一人(A)は眠くなり、寝てしまう。
女子高生Bは、穴を少し離れたところから眺めていた。
私は画面越しに穴の向こうを観察した。
吸い込まれそうな白。遠くには雪崩れる斜面が見えており、二人が山の標高の高いところにせり出した崖の端のほうにいることが分かった。
そして同時に、この穴から外に出れば外に吸い出されるような形になり、部屋に戻ることは容易ではなく、また、崖から落ちれば雪崩に巻き込まれて命はないだろうと漠然と思った。
すると、不意にカメラの範囲外から豚と犬が歩いてきて、穴の近くでうろうろし始めた。
Bは危ない、と豚と犬に近づき穴から引き離そうとした。
すると慌てた豚と犬は足を滑らせて穴の外に飛び出した。
Bは咄嗟に右手に豚の腕、左手に犬の首輪を掴み、自らの足は部屋の中の穴のへりに掛け、上半身が穴の外に飛び出していた。
引き上げようとするが、両手が塞がっており手がどこにも突けないので引き上げることができない。
助けて、助けてと声を上げていると思われたが、外の雪崩の音でAの耳には届かない。
そのまま暫く、Bが二匹を掴み踏ん張っている姿が画面にあった。
この先どうなるのか、とすっかり引き込まれた私は結末を急ぎスクロールバーを一気に右に動かした。するとまだBは二匹を掴んでいた。
しかしそれにも限界が来たのか、ほぼ同時に手が離れ、二匹が崖下に落ちていくのが見えた。
それとほぼ同時に、Aが視点内に入ってきて、Bを助けようとするのが見えた。
Aは、Bに対して後ろを向き、Bの両腕を掴むと、部屋の中の方向に引っ張り始めた。
よかった、助かるのかと思い私は画面の外に目をやり、ふうとため息をついた。
画面に目を戻すと、二人の姿がなく真っ白な穴が開いた部屋だけが残っていて、「え、どういうこと？」とスクロールバーを左へ少し戻した。
すると、AがBの腕を引っ張っている場面に戻った。
Aは必死になって引っ張るが、Bの重みに耐えきれず「うそでしょ」とだけ言い、後ろ向きに倒れてしまい、Aにぶつかりながら崖下に落ちていった。
AもBがぶつかったことで完全に部屋の外に出てしまい、少しせり出した崖に泣きながらつかまっていた。
いやだ、いやだと泣き叫びながら掴まっていたが、間もなく手が離れ崖下へ落ちた。
そしてそのまま動画は終わってしまった。
え、なんなの、誰も助からないの。どうして、と考えながらただただ呆然とした。
そんな夢を見た日曜の午後。
悩み。
彼に、一人じゃ何もできないんじゃないかと思ったと言われて、咄嗟に否定してしまったんだが、多分間違ってない。
毎週土日、彼と一緒にいたいと思い実行してきたことも、そう思わせてしまった一因なのだろう。
だけど、冷静に考えると、決して一人じゃ何もできないから、というわけではないと思う。
ここ数か月、テレビの音が喧しく思えるときが増えた。
好きな映画もあまり入ってこなくて、趣味を失いつつある。
家にいても何をしていても、楽しいと思えない。
会社に居ても、何もできないし、何も余裕がないし、何も話せない。
相手が私を褒めても、胡散臭いと感じる。
メンバーが機嫌わるそうにしているとき、機嫌を取ろうとしている自分に嫌気がさす。
これじゃいけないとわかってるけど、なにもやる気が出ない。
話を聞いてくれる先輩がいることは素晴らしいことだ。
わかってる。
もう彼を開放してあげたい気分。
自分の泣いた映画を恋人に勧める恐ろしさ
私が観た映画の中でぼろぼろに泣いたものがある
the notebook（邦題：きみに読む物語）である。
本当に何回観ても涙が出てきて、メインテーマの音楽を聴いても泣けるし、あの導入の美しい夕日を思い出すだけで泣ける。
そして何より泣けたのは以下の画像である。
これに気付いた時、はあーっという声にならないため息と、映画を観てさんざん泣いて枯れたと思っていた涙がこぼれた。
あまりに泣けたし、彼なら大丈夫だろうと思いこの映画を観てほしいと勧めた。
最終的に彼も泣いてくれたし、感動を分かち合えてうれしかった。
ラスト20分については何回でも観れる。
彼氏に誕生日を祝っていただいた話
先日、誕生日を祝ってもらった。
以前、一度彼と行った焼肉屋にまた行く約束をしていたので、本当に楽しみにしていた。
仕事帰りに駅で待ち合わせるのが新鮮で、デートでもしているのではないかという気分だった。(多分ちゃんとデートだけど。)
焼肉に舌鼓を打っていたら、さりげなく手紙をもらった。
その場で読みたかったが、彼が嫌がっていたので家に帰ってから読んだ。
日々の感謝の気持ちや、将来どんな風に一緒に生きていきたいかというのが書いてあった。
便箋約2.5枚分の手紙がうれしくて、貰ってから既に30回以上は読んでる。
私もまた書こう
やっぱどう考えてもこれはミスなのか
ああ…会社でやらかしたっぽいということに家でご飯を食べていて気付く。
なんとかなるかもしれないけどならないかもしれない、多分なんとかなるけど、気が気じゃない。
ヒカキンの動画を見ていて気付いたもんだから、ヒカキンは別に悪くないのだが・・・とお詫び申し上げたくなる。
というか、お詫び申し上げながら動画を止める。
なにやってんだ・・・。
もうめんどくさくなってきた。
なんで今気づいたんだ。なぜあの時は何の危機感も持たなかったのだ。
どうしてなのだろう。
家でまったりしている時に仕事のミスとか思い出すと本当に悲惨である。
明日休むんだろうなと思うチームメンバーのことを思い、明日の体制を考えるのもまたつらい。
時間が本当に足りないのである。
仕事になんの楽しみも見いだせない。
同期が会社を辞めた。
これで同期誰も残ってない。
ねえなんでなのさ。
なんでなのさー。
死にたくないが死にたくもなる。
恋人にひっついている時は仕事のことは何も思うこともない。
何も考えたくないから安らぐし、本当に大切にしたい時間だ。
今の心配事は、本当に本社異動ができるのかということだ。
予定だとあと二週間だが。
明日でなんとなく決まるが、これでチャンスを失いたくないという気持ちがある。
