雉よ、お前も鳴かずば撃たれまい
ここ数日、仕事中熱が出る。
色々調べていてわかったのだが、大人は知恵熱を出さないらしい。
本当なのだろうか。
さらに調べると、どうやら心因性発熱というものがあるようだ。
慢性的な微熱。
そして心療内科をググっていたら、日本医師会の心に残る医療体験記のサイトを見つけて、読み入ってしまった。
以下URL
http://www.med.or.jp/people/kokoro/
そこからどう派生したかわからないが、日本昔ばなしを見て、「雉も鳴かずば撃たれまい」で心を痛めた。
以下あらすじ
貧しい父子がいて、父が病弱の娘にご馳走の「あずきまんま」を食べさせようとたった一度地主の米と小豆を盗んだ。
盗んだ米と小豆であずきまんまを拵え、食べさせたら娘の病気もみるみる良くなった。
元気になった娘は外で手毬をついていたのだが、「おっとう(お父さん) があずきまんまをこしらえてくれた」と歌ったものだから、小豆と米を盗んだことがバレてしまった。
その村は毎年梅雨に川の氾濫で人が大勢死んでおり、人柱を立てることになったのだが、罪人を人柱に据えようということになり、米と小豆を盗んだ父が生きたまま人柱として土に埋められた。
三日三晩「おっとう、おっとう」と泣き通していた娘は急に押し黙って、そのまま何年も口をきかず、更に数年後にはその姿を見る者はいなくなった。
数年後、山で狩人が猟銃を構えていた。
雉が鳴いたので猟銃を咄嗟に向け、撃ち落とすことに成功した。
撃ち落とした先には、弾が命中し死んだ雉と
数年前に姿をくらました娘がいた。
そして娘は雉を抱き、「雉よ、お前も鳴かずば撃たれまい」と言葉を発した。
「お、お前、口がきけるようになったんか」と狩人が問うと、娘は答えることなくくるりと背を向け、鬱蒼と茂った森の中に消えていった。
あの時、私が手毬唄なぞ歌わなければ(鳴かなければ)父は人柱にされず(撃たれず)に済んだと娘は思い、口をきかなくなったのだと村人は思い、人柱を立てることをやめた。
なんだろ、泣くとかじゃなくてただただ悲しい話だと思った。